2024年12月18日に、DATA SENDAIプラットフォームとして初めてのオフラインイベントを開催しました!
今回のワークショップでは、日本唯一のFIWAREイノベーションハブであるiHub Baseと、システム×デザイン思考の教育・研究を行っている慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント(SDM)研究科白坂研究室の方々をお招きして、FIWAREやシステム×デザイン思考のセミナーや、システム×デザイン思考のアプローチで新しい商品・サービスを考えるワークショップを実施し、多くの交流が生まれる場となりました。
最後のアイデア発表では、たった5時間のワークショップで考えたとは思えない独創的なサービスアイデアが次々に発表され、プラットフォーム運営事務局にとっても、システム×デザイン思考とデータ連携基盤の大きな可能性を感じる機会となりました。
▼開催概要
【12/18(水)開催】新しいアイデア創出手法を学ぶ!データ連携基盤活用ワークショップ in 仙台
ワークショップスタート!
▲iHub BaseによるFIWAREのご紹介
13時よりワークショップスタート。
現地・オンラインも合わせて20名の方にご参加いただきました。民間企業、大学教員・大学生、地元NPO、自治体職員などさまざまな立場の方にお集まりいただき、この時点で、「これだけの人が集まったらどんなアイデアが生まれるんだろう..?」と期待が膨らみました!
まずはワークショップの前段として、iHub Baseの皆さまからFIWAREの概要や国内外における活用事例をご紹介いただきました。続いて、プラットフォーム運営事務局からDATA SENDAIプラットフォームの取組みを改めてご説明しました。
システム×デザイン思考をインプット
▲慶應義塾大学大学院SDM研究科白坂研究室 猪股特任助教による講義
続いては、慶應義塾大学大学院白坂研の皆さまにバトンタッチして、システム×デザイン思考の講義。
機能性や実現性を論理的に考えるシステム思考と、人の興味や使いやすさを感性的に考えるデザイン思考とを、バランスよく用いることでイノベーションが起こることを分かりやすくレクチャーいただきました。
ご紹介いただいた事例はどれも興味深いものでしたが、「1週間ニッスイ冷凍⾷品⽣活」や「髪の毛がぐちゃぐちゃにならずに頭を守れるヘルメット」のところは、特にグループワークへの手がかりになったのではないかと思います!
アイデア創出のグループワーク
▲オンラインホワイトボード「Miro」の画面
講義のあとは、システム×デザイン思考のフレームワークに沿って、4つのチームに分かれてグループワークを進めます。各チームで選んだデータを使って「データからわかること(インジケータ)は何か?」「インジケータを組み合わせてできること(ケイパビリティ)は何か?」と、チーム内でブレインストーミングやディスカッションを行い、思考を深めていきました。
また、オンラインホワイトボード「Miro」を使うことで、各チームでそれぞれのアイデアが広がっていく様子を体感することができました!
▲ユニークなアイデアを出し合って、笑い声の絶えないディスカッションになりました
休憩を挟みながら、グループワークは後半に入ります。
ここからは、ケイパビリティ(データを組み合わせてできること)という形で収束させたアイデアを、さらに連想をして“見たことも聞いたこともない防災の商品・サービス”を考えていきます。各々が日常的に感じている課題や専門分野の立場や知見をシェアし合うことで、今までにない新しいサービスが徐々に組みあがっていきました。
グループワークの最後には、組み上げた商品・サービスが提供する「価値の流れ」について分析しました。商品・サービスそのものが持つ価値だけではなく、価値の連鎖によってもたらされる「見えない価値」「情緒的な価値」も重要であることを学びました。
アイデア発表!
最後は、各チームのアイデア発表を行いました。どのチームも、2時間半のグループワークとは思えないような全く新しいアイデアを発表いただき、とても興味深く聞かせていただきました!
仙台市の担当者からも、「市職員では思いつかない斬新なアイデアでありながら、すぐに実装できそうなアイデアもあり素晴らしかったです」と講評がありました。
Aチーム | Kumer Eats(有事の際に自動走行ロボットが熊肉を獲得して避難所に届けてくれるサービス) |
Bチーム | 十徳シェアサイクル(シェアサイクルに発電機や医療キットを積み、平時/有事の医療のサポートをするサービス) |
Cチーム | 有事の際にバスを可動式の避難所として活用し、近隣の住民(特に移動が難しい要支援者)を受け入れるサービス |
Dチーム | 平時にはオーバーツーリズムによる混雑対策サービスとなり、有事の際にはマルチ言語に対応した帰宅ルート提供サービスとなるアプリ |
参加いただいた方の声
大変ありがたいことに、開催後のアンケートでは多くのコメントをいただきました!一部抜粋してご紹介します。
ワークショップ全体の満足度に関して、アンケート回答いただいた全員に「非常に満足」「やや満足」を選んでいただき、多くの人にとって役に立つワークショップになったものと考えています!
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体系化された発想の方法論が定義されていたので良かった。意識せずにこなしていけばある程度のもの(発想)ができる形になっていたのが素晴らしかった。
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得られるデータからできることを考え、それを組み合わせて新しいアイデアにするという一連の流れを学習、実践することができ、とても有意義な学習となった。
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新しいビジネスモデルつくりのヒントがあった。市民を積極的に巻き込み継続して実施することをお願いしたい。
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貴重な機会をいただき、ありがとうございました。オンラインでの参加ということで、グループワークは若干のやりにくさを感じたものの、うまくファシリテートしていただき、楽しく参加することができました。
おわりに
以上、「新しいアイデア創出手法を学ぶ!データ連携基盤活用ワークショップ」の開催レポートでした!
運営事務局としましても、非常に手ごたえの感じるワークショップとなりました。DATA SENDAIプラットフォームでは、「企業、教育・研究機関、地域団体などの多様な主体による連携を促すこと」を目的の一つとしており、今回のようなイベントを引き続き開催していく予定です。次回のイベントもお楽しみにしていただければ幸いです!
また、ワークショップ開催に多大なるご尽力をいただいたiHub Baseさま、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科白坂研究室さまに、改めてこの場を借りて御礼を申し上げます。
◆iHub Base
◆慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科白坂研究室
https://www.sdm.keio.ac.jp/research/sdmlab.html